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サプライチェーンのサステナビリティ

テクノロジーによってより良い世界をつくるためにまず重要なのは、その設計方法です。

シスコは、製品をどのように製造するかを重視しています。シスコのビジネス、グローバルでの事業、さまざまな活動を通してすべての人にインクルーシブな未来を実現することを、シスコはチャンスでもあり責任でもあると考えています。シスコのサプライチェーンの労働者、コミュニティ、エコシステムにとってより公正で持続可能な未来を実現するためにシスコは行動を起こします。

シスコは人権と環境に関するリスクの特定、軽減、周知に努めており、有益な成果をもたらすためにサプライヤと協力しています。

シスコのサプライチェーンが労働者とコミュニティにプラスの影響をもたらす方法

シスコのサプライチェーンは広範かつ複雑であるため、さまざまな方法でプラスの影響をもたらすことができます。シスコは毎年発行するサプライヤガイドで期待値の基本水準を設定し、労働者の権利を守り、シスコの事業による負の影響から環境を保護するためにデューデリジェンスを実施しています。シスコは、ライツホルダー(人権の主体)、コミュニティ、事業を展開する地域の生態系を支えることを目的とした取り組みを通して、プラスの影響をもたらし共栄を図っています。

責任ある鉱物調達

シスコは、責任ある鉱物調達ポリシーに従ってデューデリジェンスを実施し、人権と環境に関するシスコの価値観に沿って鉱物を調達しています。他のステークホルダーと協力して採掘者を支援し、暮らし向きが良くなるように努めています。

責任ある行動に対する期待水準の維持

シスコは、サプライチェーン全体でシスコのサプライヤ行動規範への準拠を支援することで、労働者の権利、健康、安全を保護します。また、製造パートナー、部品サプライヤ、主要なロジスティクスパートナーにシスコの期待値に対する説明責任に応えるよう要請しています。

労働者の労働条件の改善

シスコはサプライヤと連携して、労働条件を改善し、労働者のエクスペリエンスを向上させています。シスコは、労働者が声を上げ、労働条件に関する意見を述べられるようにしています。

環境の保護

シスコは、サプライチェーンの複数の階層で気候変動の課題に対処しています。また、サプライヤと協力して汚染の緩和、天然資源の保全、循環型経済の推進にも取り組んでいます。

高い目標

シスコはさまざまなステークホルダーが参加するグループの一員となり、産業界をまたがる強固な基準の提唱、ライツホルダーと環境により良い結果をもたらす解決策の立案に取り組んでいます。

シスコのサプライチェーン

シスコは、多様で復元力の高いグローバルサプライチェーンを運営しています。各分野に特化したサプライヤとパートナーのネットワークを通じて、持続可能な責任ある方法で製品を製造するよう努めています。Gartner 社が発表した Gartner Supply Chain Top 25 for 2023 レポートで、シスコは 3 年連続の 1 位に続き、2 位に選出されました。Gartner 社から継続して優れた評価を得られているのは、シスコが企業の社会的責任、サプライヤの参画、サプライチェーンの順応性を重視しているためです。

シスコの製造、ロジスティクス、グローバル修理拠点

シスコの製造、ロジスティクス、グローバル修理拠点を示す世界地図。

シスコのサプライチェーンについて

  • 部品サプライヤ:シスコの仕様に従って製造パートナーに部品を提供する大規模なサプライヤグループ
  • 製造パートナー:シスコの最終製品を生産する特定のサプライヤグループ
  • ロジスティクス サービス プロバイダー:部品や最終製品を輸送するサプライヤ
  • 修理パートナー:修理拠点を運営し、サービス修理を行うサプライヤ
  • 間接サプライチェーン:シスコが使用するサービスまたは資材を提供する契約を結んだ、最終製品を対象としたものではないサプライヤ

シスコのデューデリジェンスシステム

シスコは、サプライチェーンのデューデリジェンスシステムの基礎として、経済協力開発機構(OECD)責任ある企業行動のためのデューデリジェンス ガイダンス国連のビジネスと人権に関する指導原則を使用しています。以下に、シスコがどのようにデューデリジェンスを推進しているかについての概要を示しています。詳細については、サプライヤ行動規範サプライチェーンにおける人権サプライチェーンにおける環境スチュワードシップのページをご覧ください。

サプライチェーンのサステナビリティに関するデューデリジェンスプロセス

サプライチェーンのサステナビリティに対するデューデリジェンスプロセスの詳細を示すインフォグラフィック

責任あるビジネス行動を方針(ポリシー)と管理システムに組み込む

サプライヤと連携することは、ライツホルダーと環境にプラスの成果をもたらすための基本です。シスコの供給基盤全体に一貫性のある基準を浸透させるために、サプライヤとの関係のライフサイクルにわたって、シスコの方針に対し説明責任を果たすようサプライヤに要請し、コミュニケーションを図っています。サプライヤは、シスコに対して以下を遵守することを承諾し確約しています。

確固たる方針を確立することは、シスコのコミットメントを明示し、サプライヤへの期待を設定するとともに、シスコとサプライヤの運営方法を導くのに役立ちます。シスコは、関連するサプライチェーン方針をサプライヤに伝達し、オンボーディング時または年次評価時にそれらの方針をサプライヤが確認するよう求めています。シスコのこれらの方針は、サプライヤと締結する基本購買契約書の標準文面に織り込まれています。

シスコのサプライチェーン オペレーション(SCO)環境・社会・ガバナンス(ESG)ガバナンス委員会は、環境と人権に関するリスクと機会についてエグゼクティブの監視を続けています。定期的に進捗状況と結果をレビューし、ESG が事業運営に取り入れられるようにしています。同委員会は、SCO 担当シニアバイスプレジデントを筆頭に、グローバルでの製造オペレーション、サービスとロジスティクス、グローバルでのサプライヤ管理、製品および部品オペレーション、テクノロジーと品質、サプライチェーンの変革、法務を担当する各エグゼクティブによって構成されています。また、SCO に携わる従業員は、サプライチェーンにおける環境問題と人権問題に関するトレーニングを受けるとともに、サプライヤの ESG 要件とビジネスにおける重要性について定期的に説明を受けています。

実際の悪影響および潜在的な悪影響を特定して評価する

シスコは、既存のサプライヤ拠点における社会的リスクと環境リスクの評価を毎年行っています。これらのリスク評価には、信頼できる情報源から提供された地理的リスク指標、サプライヤのオペレーションと生産から生じるリスク、サプライヤとシスコとの関係が組み込まれています。

シスコはこれらの評価結果に基づき、オンサイト監査または調査を通じて詳細を把握すべきサプライヤ拠点を決定します。サプライチェーンに悪影響を及ぼすリスクについては、その重大性とサプライチェーン全体で発生する可能性に基づいて優先順位を付けて対応します。サプライヤがシスコの方針に違反していることが判明した場合、是正措置計画を通じて問題を是正するようサプライヤに働きかけます。また、監査やその他の評価で判明した不適合を分析し、最も発生する可能性が高い、または頻繁に発生するリスクをサプライヤが防止、軽減できるようにトレーニングを開発します。

拠点の年次リスク評価に加えて、買収によるものを含め、新しいサプライヤまたは新しいサプライヤ拠点を評価します。リスクが判明した場合、そのサプライヤとの取引拡大に先だって対処が必要か追跡調査します。次に例を挙げます。

  • 外国人移民労働者の雇用
  • 18 歳未満の労働者の雇用
  • サプライヤの直近の RBA 監査における未解決の重大な RBA 行動規範不適合
  • 既存の環境汚染

悪影響を停止、防止、緩和する

シスコは、サプライチェーンのリスクを防止、停止、または軽減するために複数の戦略を使用しています。人権や環境に関する不適合に対処する際にシスコが使用する手段は 5 つあります。その中には、シスコが単独で行うものと、他の組織と協力して行うものがあります。

  • サプライヤの能力向上:シスコは、ベストプラクティスを浸透させるとともに、サプライヤと拠点の管理者層に社会的リスクと環境リスクに対処するための基本的なスキルセットを提供することを目指しています。たとえば 2023 年度には、強制労働のリスク、健康と安全、産業衛生、労働者の参画、水の保全、温室効果ガス(GHG)についての報告、クリーンエネルギーの調達などに関するトレーニングを実施しました。
  • サプライヤの説明責任:サプライヤがシスコの方針に違反していることが判明した場合、是正措置計画の実施を要請した上で、サプライヤが是正するまで監視します。サプライチェーンの管理者は、これらの計画に対するサプライヤのパフォーマンスについて定期的に報告を受け、進捗についての説明責任をサプライヤに課します。問題解決に向けてシスコの力が及ばない場合、同業他社と共同で対処します。サプライヤに改善の努力が見られなければ、新規の取引の停止や、正当な理由があれば関係の解消といった措置をとる場合もあります。

    シスコはサプライヤスコアカードを用いて、環境と人権に関するシスコの要求事項にサプライヤがどの程度適合しているか測定し管理しています。スコアカードは、調達先の判断材料になるとともに、ビジネスレビュー時にサプライヤとの協議で使用されます。スコアカードは、シスコのサプライチェーン ビジネス プロセスで調達および購買に関する決定を行う際にも考慮されます。コスト、品質、提供サービスとともに、ESG に関する評価結果を報告することで、調達責任者はサプライヤと取引をする際に、情報に基づいた意思決定を行うことができます。スコアカードの ESG の部分には、次の項目が含まれます。
    • シスコの方針に適合した紛争鉱物の報告と鉱物の調達
    • RBA 監査の成績と是正措置計画のタイムリーな完了
    • 外国人移民労働者や若年労働者など、弱い立場にある労働者の保護
    • GHG の報告と絶対量削減目標
    • 水と廃棄物に関する報告
    • 公害防止活動と、環境、健康、安全に関する認証
  • 業界でのコラボレーション:シスコは、明確で一貫性のある基準をサプライヤに伝えるための鍵は、業界でのコラボレーションにあると考えています。業界は共通の認識を持つことで、サプライヤが必要な改善を行うのを協力して助けることができます。シスコは、シスコが創設メンバーである Responsible Business Alliance(RBA)のほか、責任ある労働イニシアチブ(RLI)、責任ある鉱物イニシアチブ(RMI)、および European Partnership for Responsible Minerals(EPRM)に積極的に参加しています。また、Institute of Public and Environmental Affairs(IPE)、CDP(旧カーボン ディスクロージャー プロジェクト)、Alliance for Water Stewardship、Asia Clean Energy Coalition とも提携しています。影響力を強化するためにシスコが連携しているステークホルダーの詳細をご覧ください。
  • ライツホルダーの参画:シスコは、サプライヤの工場の労働者や周辺コミュニティの人々の声に耳を傾けるよう取り組んでいます。この取り組みには、労働者から話を聞くことや、サプライヤの工場における労働者と管理者のコラボレーションとコミュニケーションを促進するためのプログラムが含まれます。また、シスコのサプライヤ拠点を取り巻くコミュニティと連携して環境問題に取り組み、複数のステークホルダーとのパートナーシップを通じて鉱業コミュニティに利益をもたらすよう努めています。
  • 救済:シスコが人権への負の影響の一因となっていることが特定された場合、正当なプロセスを通じて影響を受けた個人が救済されるようにすることを目指しています。たとえば、サプライヤ拠点の労働者が採用手数料の支払いを強要されていたことが判明した場合、シスコはサプライヤから影響を受けた労働者に至るまで関係者と協力し、業界のパートナーシップを活用して、労働者への手数料の返済を促します。

シスコでは、従業員、労働者、その他のステークホルダーに対し、シスコの方針に対する懸念を提起し、違反の疑いがある行為をシスコ倫理ラインなどシスコの報告チャネルのいずれかを通じて報告するよう奨励しています。

実施状況と結果を追跡し、学んだ教訓を使用してデューデリジェンスを改善する

シスコは、複数の重要業績評価指標を使用して、デューデリジェンスの取り組みの実施状況と効果を追跡しています。重要業績評価指標を作成し追跡するアプローチでは、リスクの特定(監査や調査、またはシスコの方針に対するサプライヤの適合性を評価するレポートを通じて特定)、サプライヤのパフォーマンス(サプライヤがリスクとシスコの要件に対処しているかどうか)、および変化(シスコの影響を示す指標)に重点を置いています。たとえばシスコは、実施された監査の件数や、国ごとに特定された主要な不適合を追跡して報告します。さらに、監査でサプライヤのパフォーマンスを追跡し、高い適合性を示しているサプライヤや、是正措置が必要なサプライヤを判断します。是正措置が必要な場合は、RBA の完了タイムラインに従って、是正されるまで監視します。プログラム全体でこのアプローチを活用して是正措置の効果を評価し、プログラムとサプライヤのパフォーマンスの改善を推進しています。

サプライヤレベルのパフォーマンスを追跡することに加えて、シスコはデータ分析を行い、能力向上、ステークホルダーとの連携、プログラム戦略などの継続的な戦略的決定およびプログラムによる決定に反映します。これによって有益なフィードバックループが生まれ、改善を続けることができます。

シスコのサステナビリティ チャンピオン

サステナビリティ チャンピオン

シスコの従業員は、調達やサプライチェーンにおいて持続可能で倫理的な実務を推進していく上で重要な役割を果たします。シスコの ESG 目標を誇りを持って日常業務に取り入れている個人をサステナビリティ チャンピオンとして表彰しています。シスコの Web サイトで表彰者の体験談をお読みください

コミュニケーション

デューデリジェンスの取り組みでは、成功、課題、継続中の問題について、社内外の主要なステークホルダーに伝えることが不可欠です。シスコの取り組みは、この ESG レポートハブ、年次パーパスレポート、現代奴隷制度と人身売買の防止に関する年次グローバル声明、紛争鉱物に関する報告、CDP の気候変動と水に関するアンケートでご覧いただけます。

シスコの製造、ロジスティクス、グローバル修理拠点

製造拠点

  • ソロカバ(ブラジル)
  • グアダラハラ(メキシコ)
  • フアレス(メキシコ)
  • ヒューストン(米国テキサス州)
  • パルドゥビツェ(チェコ共和国)
  • 珠海(中国)
  • 深セン(中国)
  • バヤンレパス(マレーシア)
  • クローンルワン(タイ)
  • チョンブリー(タイ)
  • バクザン(ベトナム)
  • カールスバッド(米国カリフォルニア州)

ロジスティクス拠点

  • フアレス(メキシコ)
  • フェンラユ(オランダ)
  • 香港

グローバル修理拠点

  • ヴァリーニョス(ブラジル、サンパウロ州)
  • 珠海(中国)
  • 香港
  • ソンバトヘイ(ハンガリー)
  • バンガロール(インド、カルナータカ州)
  • サポパン(メキシコ、ハリスコ州)
  • パトゥムターニー(タイ)
  • シラチャ郡(タイ、チョンブリー県)
  • エルパソ(米国テキサス州)
  • ルイビル(米国ケンタッキー州)

サプライチェーンのサステナビリティに関するデューデリジェンスプロセス

ステップ 1:責任あるビジネス行動を方針と管理システムに組み込む

  • 方針の確立と伝達
  • サプライヤ契約に組み込む
  • ガバナンスの行使
  • サプライチェーンの従業員のトレーニング

ステップ 2:実際の悪影響および潜在的な悪影響を特定して評価する

  • リスク評価
  • 監査と評価
  • 影響の優先順位付け
  • 持続可能性戦略とビジネス戦略の整合

ステップ 3:悪影響を停止、防止、緩和する

  • 能力向上
  • スコアカードと説明責任
  • 是正措置計画と計画の完了
  • 業界でのコラボレーション
  • ライツホルダーとの協議
  • 複数のステークホルダーとのパートナーシップ
  • 影響におけるシスコの役割の評価

ステップ 4:結果を追跡し、学んだ教訓を使用してプログラムを改善する

  • 重要業績評価指標
  • プログラムの改善点を特定する

ステップ 5:コミュニケーション

  • 情報開示
  • サプライヤのパフォーマンスについてサプライチェーンチームに報告
  • サステナビリティ チャンピオン

ステップ 6:特定された悪影響を是正する

*責任ある企業行動のための OECD のガイダンスに基づく